スポーツテイストファッションの生みの親「LACOSTE」

昨今ではスニカーの分類としてバスケットシューズをスタイリングとして起用する等、現在既にファッションはスポーツテイストをも取り入ている時代となってきている今、流行りとして改めてハイライトされるも、この流行りの火付け役ではなく「生みの親」を皆さんご存知でしょうか。

今回はスポーツテイストファッションの生みの親「LACOSTE」についてご紹介していきたいと思います。

元プロテニス選手が手掛けた世界的ファッションブランド「LACOSTE」とは一体?

「LACOSTE(ラコステ以下表記)」とは、1933年に元プロテニス選手の「ルネ・ラコステ」によって設立されたフランスのスポーツテイストのファッションブランドです。

ブランドのキッカケとして、彼が結核を患って25歳でテニス選手を引退した4年後にテニスシャツのデザインを始めた事から始まります。

「LIFE IS A BEAUTIFUL SPORT(人生とは美しいスポーツ)」という彼自身の理念の下、その思想はブランドテーマへと落とし込まれ、フレンチシックなアイテム展開を行う事となりました。

トレードマークであるブランドロゴの「クロコダイル」は1920年代後半、ラコステが多数のグランドスラムチャンピオンのタイトルを獲得した際に「ワニの刺繍の入ったブレザーをコートで着用していたこと」に由来されました。

当時はテニスウェアが白のシャツにパンツと言う従来のスタイルとして確立されたものの、運動に適したものでなかったことから、半袖で襟がリブニットボーダーの軽く伸縮性に優れたニットシャツをラコステが開発。これが本格的なブランド開業の機となり「ラコステ」創業となりました。

彼の手掛けたテニスシャツは「テニスコートでもオフの時間でもリラックスでき且つ、エレガントでいられるアイテム」として現在も世界中で愛される看板商品であるポロシャツの原点となりました。

テニスウェアの発表後は、ゴルフやセーリングなど様々なスポーツを対象にしたポロシャツを次々と発表し、ラコステは高い評価を集め世界のトップブランドとなっていきます。

日本では「クロコダイル」という商標権はラコステ社とは別の会社が当時保有しており、ラコステは日本語公式サイトでは「ワニ」という表記のみを用いているという秘話があります。

また、1987年から西武百貨店や大沢商会による国内販売を経た後、1987年株式会社ファブリカを設立。日本ではテニスシーンを始め、根強い人気を誇っていたが1990年頃には惜しまれながらもフランス生産品の日本への輸入を終結。

しかし2013年には、フランス生産品の日本への輸入が再開され、 2012年5月ではアジア初の旗艦店を渋谷・明治通りにオープンし大きな話題を生みました。

2015年では株式会社ラコステ ジャパンに社名を変更し、現在は日本国内で120億円を超えるビジネスを展開する等、今年5月には会員向けに「生涯保証ポロ」プログラムをスタートさせ日本オリジナルの取り組みも行っています。また日本では他にエーグル事業も展開する偉業を成し遂げました。

「LACOSTE」を生み出したファッションデザイナー 「ルネ・ラコステ」

「ルネ・ラコステ」は1904年7月2日に生まれ、フルネームは「ジャン・ルネ・ラコステ」であり、当時のルネ・ラコステはピッチング用ボールマシンの開発や、ラケット、ガットの改良などを行いながら多くのアイデアを形にしてきました。ブランド設立当初はテニスウェアを基にしたポロシャツの販売を中心にブランドを拡大させていき、1950年代以降には本格的にファッション業界に進出をする事となります。

その後、2002年アーティスティック・ディレクターに就任をすると、それに伴って2000~2006年の間、自らのブランドである「クリストフ ルメール」は休止したし、伝統を守りつつクリストフルメールのカットや、色彩、斬新さを活かしながら、ラコステを再生。

新たなライン、「Club」「Life!」の為のレディースコレクションを展開させると、ラコステが本来持っているアイデンティティーや、アイコニックなイメージを復活させました。ブランド再生を図った実績を高く評価されていたが、「エルメス」のアーティスティック・ディレクターに抜擢されたことを機に退任。

2011年ではクリエイティブ・ディレクターデザイナーへと就任、その後キングストン大学卒業し、イタリアのブランド「マックスマーラ」フランスのブランド「クリストフ・ルメール」イタリアを代表するブランド「チェルッティ」で経験を積み2002年にデビューを果たします。

新人デザイナーの登竜門である「イエールフェスティバル賞」と2003年と2005年には「アンダム賞」を受賞し、2005年にパリ・オートクチュールコレクションデビューすると2006年には「ユニクロ」とコラボレーションし「デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト」に参加。

2009年よりパリ・ファッションウィークにて自身の名前を冠したウィメンズブランド「Felipe Oliveira Baptista」を発表し話題を呼びました。