時代と共に変化してきたユースカルチャーファッション

時代と共に変化してきたユースカルチャーファッション

出典https://liter-mens.com/smart30sstylemagazineyouthculture20181006

「ユースカルチャー」というワードを聞いたことありますか?聞いたことはあるけど、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この言葉は「若者文化、またはユース・カルチャーとは青少年層(男女は問わず)に支持されている文化的形態や活動である」という意味を指しており、つまり若者カルチャーから誕生したスタイルであり、ファッションの事を指します。また洋服にかかわらず流行の音楽やアートなど社会的な影響も含め〇〇年代のユースカルチャーと表現することが多いのです。

例えば70年代で言えば、ヒッピーが挙げられるでしょう。愛と平和を歌い、ドラッグを愛する、自由を楽しむ若者文化が世界中で広まって行きました。アーティストで言えば、ビートルズやジミヘンドリックスなどが挙げられるでしょう。ベルボトムのデニムやフリンジ付きのレザージャケット、ウエスタンシャツなどが流行しました。
その後は70年代の後半からイギリスではパンクファッションが大流行し、以降80年代に入るとパンクの女王、ヴィヴィアンウエストウッドがコレクションを発表。ストリート文化がランウェイに色濃く反映され始めたのもこの頃からとされており、セックスピストルズは中でも衝撃を与え、鋲付きのレザージャケット、ガーゼシャツ、モヘアのニットなどを買い求める若者が急増したとされます。

時代の歩みと共にユースカルチャーは変化を遂げてきましたが、アメリカでは80年代から90年代にかけ黒人文化からヒップホップが誕生したとされます。
RUN DMCは全身アディダスでカンゴールのヘットギア、自信の富を主張するような大ぶりなジュエリーが特徴的で肌の色が違うことで差別的な扱いを受けていたアフリカン・アメリカンの不満をラップにした黒人のみならず、アメリカの白人にも支持を得るようなカルチャーへと発展していきました。

90年代に入るとニルヴァーナを代表する「グランジ」ファッションが大流行し、「汚れた」という意味ではあるもののボロボロのカーディガンやデニムパンツなど古着を好んで来ていたカートコバーンのスタイルが大流行し、足元はコンバース、オーバルのサングラスもお約束となりました。現代のファッションでもリバイバルされることが多く、マルジェラ、マークジェイコブス、サンローランなど数々のブランドがグランジをテーマにコレクションを発表しています。

そして現代のユースカルチャーは「多様化」していると思います。 多数のロゴアイテム、ストリートからラグジュアリーブランドへの昇華、ダッドスニーカーetc…そんな中でも特にユースカルチャーファッションを提示し続けるのが、「ラフシモンズ」時代のラッパー、エイサップロッキーも「RAF」という曲をリリースするほど崇拝しています。ファッションは必ず社会や文化と結びついており、ユースカルチャーを知ればもっとファッションを深く楽しむことができるでしょう。

現代のユースカルチャーファッションを牽引するブランド一派

出典https://godmeetsfashion.com/2017/01/16/gosha-rubchinskiy-adidas-soccer-2017-2018-autumn-winter-collection/

ラグジュアリーブランドを中心としたランウェイブランドが、若年化しハイエンドな「ストリートスタイル」を強く打ち出すブランドが増えてきた事がユースカルチャーファッションがトレンドとなった事に大きく関係していると言えるでしょう。
更に90年代カルチャーで育ったデザイナーがビッグブランドを牽引している事も、ユースカルチャースタイルがトレンドとなっている要因です。

今世界中のファッションフリークを熱狂させているブランドの、ゴーシャラブチンスキーと言われており、ロシア出身のデザイナーでコムデギャルソンの川久保玲が見出したニューカマーブランドであり気鋭デザイナーでもあります。
近年ではバーバリーとのコラボレーションによるカプセルコレクションを行った事で、更に注目度を増しているブランドです。ゴーシャラブチンスキーの80年代90年代を強く意識したコレクションが世界中でムーブメントを起こしユースカルチャースタイルが注目を集めるようになったと言われています。