恐らく世界一のファッションブランドと言えるであろう「GUCCI」
今回は多く知られている彼等の商品ラインの紹介ではなく、そのブランドの歴史を根底からご紹介していきたいと思います。
世界のファッションブランドの王者に君臨する「GUCCI」
「GUCCI(グッチ以下表記)」は1921年の創業以来グッチ・グループとしてグループ各社を代表する存在であったものの、1990年代に創業家と経営陣のお家騒動によりフランス大手流通の「Pinault-Printemps-Redoute(PPR)」の傘下に加盟した事が一番有名なニュースと言えるでしょう。
その後には2013年の社名変更によりケリンググループの構成企業の一つとなり、創業者のグッチオ・グッチは1881年にてフィレンツェで生まれ移住先のロンドンでイギリス貴族の洗練された感性に感銘を受ける事となり、1901年に再びフィレンツェへ帰省、その後の第一次世界大戦後の混乱が冷めきらない1921年に皮革製品を取り扱う法人として起業を果たし、第二次世界大戦の火ぶたが切って落とされると軍の統制品となった皮革は自由に使うことができなくなりその代用品としてキャンバス地を採用。
その事から色鮮やかなコーティングを施した製品を生み出しこれが空前の大人気となり同時期には代用品として竹素材を使用した「バンブー」はグッチのアイコンのひとつとなっていく事になります。バンブーバッグは大ブームを起こしヒット商品となり、後にロンドンからパリ、ニューヨークにロサンゼルスに出店し展開していく事となります。
ブランドの歴史的な一面を覗くと、一連の騒動を受けて創業家のアルド・グッチの孫は2008年にファッションブランド「TOBEG」を設立するという創業家の強みを活かしたブランドの原点回帰をアピールするものの、経営側との分離時に交わした著作権に関する取り決めにより、グッチという名前を押し出せず展開に苦戦。
2017年からウィメンズとメンズのファッションショーを統合することが発表された事で話題を呼びました。
またグッチの上品で洗練されたブランドイメージは創立者のグッチオ・グッチがロンドンでの高級ホテル「サボイ・ホテル」での勤務時代に培われた経験に基づくものであると言われています。また、ホテルには洗練された英国貴族が旅行者として多く訪れ革製の鞄や宝石、絹製品とエレガントで上質な雰囲気を纏っており、この際には洋服からデザイン、色使い、素材などファッションについて学んでいく事となります。
ホテル退職後は故郷であるフェレンツェに戻り鞄店を創業したことがグッチの始まりとされています。
ファッションブランド初のユニセフ活動を展開した「GUCCI」
「GUCCI(グッチ以下表記)」は2005年から7年間グッチとユニセフによるグローバル・パートナーシップの一環として継続された「グッチフォーユニセフ」キャンペーンと題した取組みを実施しました。
アフリカ大陸南東部に位置するマラウイやモザンピークなどの子ども達に初等教育を受けさせることがキャンペーンの目的とされ、2009年より南アフリカに規模を拡大。
主にHIV/エイズの被害を受けている子どもたちや孤児に向けての支援活動の一環として教育、保健、保護、さらに衛生面では安全な水の提供に役立てられたとされています。
また、2015年からのキャンペーンスタートでグッチからユニセフへの寄付金は900万ドルを超え毎年グッチは世界約200店舗にてホリデーキャンペーンを展開し期間中で販売される限定新作バッグの売り上げの25%をユニセフの「スクール フォー アフリカ」プログラムに寄付されました。
また、グッチのデザイナーフリーダ・ジャンニーニ氏は、このホリデーキャンペーン以外にも年間を通し自身がデザインした限定アイテムを多数制作し支援活動に貢献していき、この全ての取組みはグッチにとって歴史上大規模な社会貢献を目的としたパートナーシップとして重要な取組みに位置づけてられている事で有名です。
また、勿論のことグッチはハリウッドセレブを中心に愛されてきたブランドであり、代表的な人物として「ローマの休日」や「ティファニーで朝食を」で主演女優を務めた「オードリー・ヘップバーン」やピンクパンサーシリーズで人気を博した「ピーター・セラーズ」が挙げられ、近年ではキャメロンディアスやニコール・リッチー、デビット・ベッカム夫妻もグッチの愛用者として有名です。
また女優として活躍しモナコ大公レーニエ3世と結婚しモナコ王妃となった「グレース・ケリー」もグッチを愛用するスーパーセレブでありモナコ皇太子であったレーニエ公の結婚式では引出物の物品にグッチのブランドが利用され、このことにより世界的高級ブランドの確固たる地位を確立する事となりました。
ハイブランドの頂点に立つ「GUCCI」今後の新作発表には目が離せません。