ドイツ発祥!「MCM」が背に語るドイツファッションの紀元

「MCM」と言えば近年ではKPOPスターノ愛用によって韓国発祥のブランドとして誤認識されてしまいがちですが、事実とは裏腹に彼等は海を渡ったヨーロッパはドイツを拠点に発祥した一大ファッションブランドであります。

ドイツファッションは伝説的ブランドまでへと成長をした「MCM」無しでは語る事が出来ないほどの数々の実績を積んできたブランド。

今回はそんな未だ見ぬ「MCM」というブランドについて少しご紹介をしていきたいと思います。

ドイツの革職人達が打ち付けた「MCM」という伝統的ファッションブランド

1976年、ドイツの革職人達の伝統を継承しながらその斬新なチャレンジと確かなスピリットでシンボリックなロゴバッグを世に送り出し90年代のファッション業界に旋風を巻き起こしたMCM。

もともとは、ドイツの革職人たちの「クラフツマンシップ」という団体により輝かしい伝統を築き上げたブランド「MCM」ですが、設立は1967年とまだブランドとしての歴史は浅いのも事実です。

しかしその短い歴史ながらも誰にでも愛される「クラシカルなレザーグッズ」を作り続け、既にその地位を確立しているブランドは世界中どこを探しても見つからず、且つ極上なセンスを持つ多くのクライアントを有している事でも彼等の実力を理解するのは難しく無いでしょう。

ブランドが意図してきたものとは「シックなスタイルを表現した品質と実用性を兼ね備えた旅行鞄やハンドバッグを世に送り出すこと」としてテーマが掲げられ、そのこだわりからMCMは数々の成長を重ねてきました。

またそのブランドロゴには多くの物語があり、そもそもの由来は「バイエルン国王ルートヴィヒ1世というドイツの国王」にまで遡ります。

国王はネオグリーク(古代ギリシャ様式を受け継いだ新古典主義)の古代シンボルに当時陶酔しており、時たま目にするライオンのエンブレムはハインリヒ獅子公(神聖ローマ帝国の君主。当時ドイツでは多大なる権力を持っていた)のオマージュ。

つまりMCMのブランドロゴが意味するところは「伝統は確かな歴史の裏づけである」という哲学的意味を含んだもの。

またその歴史と同様に彼等が歩んできたデザインとしての紀元は、品質や手仕事も常に確かなものであると訴えています。

どの製品も唯一無二であり、ひとつひとつが完璧な作りが際立っており、当時ではセレブレティ達を魅了するステータス的存在でもあったと語られています。

その他、今では会社として比較的新参ながらも全てのトップブランドと競合している実力を持ち、実際にターゲットとする市場での地位はすでに確立、更にはアジア迄へも展開し世界各国にその活動を拡大し続けています。

そのファンの中にはジャスティン・ビーバーやセレーナ・ゴメスなどのヤングセレブリティからダイアナ・ロスなどの往年のスターまでと、顧客層の幅も広いのが特徴です。

今や有名なロゴは誰もが知っていますが彼等の様なセレブリティや王族たちを魅了し瞬く間に世界中に広がるキッカケともなったものは「コニャック・ヴィセトス」というMCMが始めて革バッグに取り入れたレザー素材と言えるでしょう。

その濃い黄色がかった色合いが美しい素材は、他とは一線を画すどころか、色合い自体が素材をより一層特異なものとして表現され、各国のセレブリティ以外にも巷の若者迄へとその熱狂的人気を博しました。

「MCM」が行う世界展開の裏側

彼等が生み出すデザイン性の評価は勿論のこと、その世界展開のビジネススタイルにも注目が向けられており、2005年には韓国のソンジュ・グループと共産し、現在は韓国の「キム・ソンジュ」をCEOとして迎え確実にワールドワイドな展開を博しています。

世界各国のメジャーな都市であれば、アテネ、ベルリン、ロンドン、NYなどのブティックにアイテムを構え、キーマーケットであるイギリスやアメリカでは名だたるリテーラーたちに商品を販売するなど、事業の拡大には余念がないそのビジネス姿勢には感服の一言と言えるでしょう。

その後は2008年から2010年までグローバル・アーティスティック・ディレクターとして、アジアやヨーロッパの市場拡大に貢献したスイス人のデザイナー「エイドリアン J・マージェリスト」が2013年にチーフ・クリエイティブ・オフィサーへと就任し、これを機にブランドのクリエイティブな側面も強化していくことを打ち出した事でも世界中で大きな話題を生みました。

今やアジアを拠点とし活動を行なっている彼等ですが、これから先でもマーケティング市場として目を向けられている日本には一足早く新商品のローンチを予定している等、日本人に対しても入手自体が難しくない事業展開には今後とも注目すべきであると言っても過言ではないでしょう。

これから「MCM」が魅せる次世代のレザーバッグ展開に期待が募るばかりです。