イタリア発祥高級革製品ブランド「BOTTEGA VENETA 」

高級革製品として取り扱いを幅広く展開する「BOTTEGA VENETA」

メンズラインではそのラグジュアリー感とタイムレスな重い魅力から支持を得るファッションブランドですが、今回は彼等のブランド歴史と背景についてご紹介をしていきたいと思います。

イタリアが発祥にて生み出されたブランド「BOTTEGA VENETA」

「BOTTEGA VENETA(ボッテガヴェネタ以下表記)」とは、イタリアのヴェネト州モンテベッロ・ヴィチェンティーノにある創設者兼デザイナーのボッテガ・ヴェネタのアトリエから「ブランドの伝統」と「創造性を重視しながらも新たな時代の流れを読み取った最新技術の製品」を生み出し続けているファッションブランドです。

他とは一線を画するディテールに対するきめ細やかな配慮からは熟練の職人たちの息づかいが聞こえる様なデザインとなっており、なめし革の革紐を編みこんだバッグ「イントレチャート」、茶と黒の生地を合わせたマルコ・ポーロのシリーズ、ポインテッド・ ヒールがブランドのアイコンとして有名です。

革は「シルクのようだ」と評する人も多く、革紐で編まれたサンダルは、柔らかく且つ履くとその人の足型に合わせて伸び、軽やかにフィットする機能性とおなっており、中でも「イントレチャート」はボッテガ・ヴェネタの大きな特徴として上がっており、革製品に多く見られる技法の一つとされています。

また、耳慣れないこの単語はイタリア語で「手編み込み」を指しており、ラムスキンなどの柔らかな革をテープ状に裁断して、手作業で職人が編み込んで仕上げていくというイタリアの伝統工芸でもあります。

籐のかごなどと同じ作りではあるが、柔らかな革が素材となっているためテンションの掛け方などに微妙な匙加減が要求され、工程には必然的に手間と時間が掛かるとされています。

それゆえ繊細で高級感溢れる表現はもちろんのこと、手に触れた時の独特の柔らかな質感が得られると言われています。また、優れた革製品として長年愛されているボッテガ・ヴェネタは、近年世界的ブランドとして脚光を浴びているがブランド創設からこれまで、同ブランドのロゴは存在していません。

これはボッテガ・ヴェネタの有名なモットー「自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)」に基づいており、個性と自信を尊重するブランド哲学が表現されている為であると言われています。

また、デザイナーと職人が協力しインスピレーションを高めていくアプローチ方法を導入しており、職人たちが熟練した伝統技能と革新性を合わせ、その技術を最大限に発揮するアトリエを大切に守っている。

2006年夏には、伝統的な技を継承する職人の重要性を鑑み次世代の革職人を養成と支援するための学校を開校し、これは長年培われてきた伝統の職人技を次世代に受け継いでいくことを意識的に行っている表れであるとされ、他ブランドとは一線を画すディテールに対するきめの細やかな配慮、卓越したクラフツマンシップによってクオリティの高い製品が生み出されていると言われています。

「BOTTEGA VENETA」の歴代ファッションデザイナー

そんな「BOTTEGA VENETA(ボッテガヴェネタ以下表記)」ですが、2001年にグッチ・グループの傘下に入って以降、ソニア・リキエル・オムやエルメスでデザインの経験があり、スイムウェアなどのデザインでも有名なドイツ生まれのオーストリア人「トーマス・マイヤー」をトム・フォードの指名によってクリエイティブ・ディレクターに起用した事で大きな話題を呼びました。

グッチの持つ資本力に加えてボッテガ・ヴェネタが本来持っていた重厚なブランド力、工房の高い技術力さらにそこにトーマス・マイヤーの革新的なディレクションが加わったことにより急成長を遂げ、就任後初となるコレクションではアクセサリー類に特化したラインナップを発表しブランドは更なる飛躍を遂げました。

また最高の素材、現代的な機能性、卓越した職人技、時代を超越するデザインという4つの基本原則を打ち出し、この原則を表現したトートバック「カバ」は、ボッテガ・ヴェネタを代表するアイテムに成長。またボッテガ・ヴェネタの有名なモットーを再び掲げ、今日のようなラグジュアリーなブランドへと成長させる事となりました。

その後はトーマス・マイヤーの手によって2001年から2011年までの売り上げを800パーセント上げることに成功し「私の仕事は単純。ただ、美しいものを作るだけだから」と彼は語る事となります。

創業50周年の節目となる2016年にはブランド初となるカプセル・コレクションを日本で限定発売し、このコレクションは同じ年に就任15周年を迎えるトーマス・マイヤーが特別デザインを実施。

キャンペーンのビジュアルにはトーマス・マイヤーのリクエストにより萬波ユカを起用し、ウィメンズではブランドの象徴となるモチーフの幻想的な雰囲気を醸し出しているバタフライ、メンズでは機能美を兼ね合わせた自然なアースカラーが特徴となり一気に日本国内で大きな人気を獲得する事となりました。