今や全世界規模で革命を起こし続けるハイブランド「LOUIS VUITTON」
「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン以下表記)」は1854年に荷造り用のトランク職人であったルイ・ヴィトンによりブランド設立を遂げ、輸送機関の発展に着目し当時の丸蓋トランクから積み重ねが可能な平蓋トランクを考案した世界的なファッションブランドです。
また防水加工を施した特殊コットン素材により軽量になり、トランクは瞬く間に評判となり、以降ブランドは急成長を遂げ2代目のジョルジュ・ヴィトン時代の1896年にはコピー対策として考案されたモノグラムがヒットアイテムとなりブランドのアイコンとなりました。
また1987年にはルイ・ヴィトンと大手シャンパンメーカーのモエ・ヘネシーが合併して誕生した「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」グループの中核ブランドとなり、1997年にはクリエイティヴ・ディレクターとしてマーク・ジェイコブスを迎えブランド初のアパレルラインをスタート。
アートへの関心が高いマークによりスティーブン・スプラウスや草間弥生、村上隆など現代アーティストとの様々なコラボレーションを行いブランドに新たな息吹を吹き込むことに成功。毎回豪華なコレクションと斬新な技法によりモード界におけるトップの座を不動のものにしました。
その後2011年にはキム・ジョーンズがメンズラインのクリエイティヴ・ディレクターに就任し、2013年春夏パリコレクションをもってマークが退任。現在は元「バレンシアガ」でクリエイティヴ・ディレクターを務めていたニコラ・ジェスキエールが担当し、メンズコレクションについてはキム・ジョーンズがチーフディレクターに就いています。
また1997年にはプレタポルテへの参入を計画していたルイ・ヴィトンのデザイナーにマーク・ジェイコブスを迎え、靴の展開をスタート。
バッグブランドのイメージを刷新しアパレルブランドとしての地位を押し上げた功績が高く評価されています。デザイナーのマーク・ジェイコブスは1963年アメリカ・ニューヨークで生まれ、「パーソンズ・スクール・オブ・デザイン」を卒業後、「ペリー・エリス」でチーフ・デザイナーとして活躍。1986年には「マーク・ジェイコブス」を設立、その後初のコレクションを開催しました。
2001年ではセカンドライン「マーク・バイ・マーク・ジェイコブス」をスタートするも、2015年秋冬コレクションをもって廃止。メインブランドに一本化をし2007年では子供服のライン「リトルマークジェイコブス」をスタートします。
2014年からは自身のブランド「マーク・ジェイコブス」に専念するためルイヴィトンのクリエイティヴ・ディレクターを辞任し、2014年春夏コレクションを最後の舞台にマーク・ジェイコブスは退任。
マーク・ジェイコブスの後任として元バレンシアガのデザイナー、ニコラ・ジェスキエールがアーティスティック・ディレクターに就任後、メンズコレクションについてはキム・ジョーンズがチーフディレクターに就く事となりました。
また、デザイナーのニコラ・ジェスキエールは1971年フランスで生まれであり、ファッション専門学校などでの教育は受けず高校時代からコリーヌ・コブソン、アニエスベー等で経験を積む事となりました。その後1990年ジャンポール・ゴルチエの元で働き始め、後にトラサルディなどでヘッドデザイナーを務める事となります。1995年にはバレンシアガのライセンスデザイナーに就任。1997年ではバレンシアガクリエイティブディレクターに抜擢しました。
「LOUIS VUITTON」初代デザイナー「ルイ・ヴィトン」の経歴
ルイ・ヴィトンは1821年にフランスで12人兄弟の6番目の子供として生ます。14才の頃に母親との不仲が原因で家出しパリへと向かう。
当時は針金で裾を広げたスカートが流行しており、旅行の際にかさばったスカートを何枚も持ち歩く富裕層は専用のトランクが必要であったものの、そのためか「畳んでかばんにつめる」という荷造り職人がおり、ルイ・ヴィトンは一流の荷造り職人の見習いとなる事となります。そして実力をつけフランス皇室からの注文を受けるようになり、フランス随一の職人となります。
その後ルイ・ヴィトンが評価され始めるようになったのは創業者のルイが亡くなった後のことであると言われています。
ヴィトン社はまず「グリ・トリアノン・キャンバス」 というトランク工場を構え、1854年に33歳の頃に独立。
ルイ・ヴィトンは世界初となる旅行用鞄の専門店をパリ・カプシーヌ通りに店をオープンさせ、また同年に結婚し3年後の1857年には息子のジョルジュが誕生。1859年ではアニエール=シュル=セーヌに最初のアトリエを構え、特殊コットン素材の軽量なトランクを販売。
瞬く間に発展を遂げ、1869年にはエジプト総督のイスマーイール・パシャが、1877年にはロシアのニコライ皇太子(後のニコライ2世)がそれぞれトランク注文するなど各国の要人からも支持を得ました。
今でこそ世界各国のセレブからアーティストまで人気を博す「LOUIS VUITTON」、今後のブランド展開に期待が出来ます。