「YSL」このイニシャルを見た事がない人は少ないでしょう。
時に男性は女性よりもエレガンスになり上品となる時もあります、一方では女性寄りなその雰囲気が反対され毛嫌いされた時代もあったものの、一つのブランドがその常識と歴史をひっくり返し今や絶対的なまでのメンズエレガンスの立役者となりました。
そんな最も美しく咲き続けるファッションブランド「Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)」についてご紹介をしていきたいと思います。
「Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)」が歩んできたこれ迄の歴史と時代
起源としては、フランス領アルジェリア出身のファッションデザイナー「Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン以下表記)」が1962年に立ち上げたファッションブランドであり、1966年に「リヴ・ゴーシュ」と呼ばれる若さと自由を表現した当時ではあまりに無謀且つ大胆なコレクションテーマに沿った「ラグジュアリー・プレタポルテ」というコンセプトを発表し、初めてのクチュールメゾンを打ち立てた新時代を切り開いたブランド。
このコレクション発表をキッカケに、ファッション業界には「近代化」のムーブメントが起こり、社会文化的に大きなセンセーションとなりました。
そんなフランスが誇る世界的ラグジュアリーブランドのひとつである「Yves Saint Laurent」は、創設者兼デザイナーとしても活躍をしたイヴが20世紀のファッション業界をリードし続けたと認知され、その業績には今でも多くの業界人が尊敬と愛を注いでいます。
華やかな歴史背景だけを見れば、何もかもがうまく言った「天才肌」の様な印象を受けやすいですが、実際はそんな綺麗なものでは無かったとされています。
かくいう、イヴ・サンローランは、保険会社に勤める両親のもとで生まれた比較的裕福な中流階級の子でありましたが、彼が17歳の時にパリへと移住し、Chambre Syndicale de la Haute Couture(シャンブル・サンディカル・ド・ラ・オート・クチュール)ファッションデザイン学校へと入学。
ここで彼は、この頃から非凡の才能を発揮しており、ライバルとなる素晴らしいデザイナーたちとも切磋琢磨している時代を必死に走り抜けます。
当時、3ヶ月のコースが終了する頃に行われたIWS主催のデザインコンクールにカクテルドレスを応募し、ドレス部門において最優秀賞を受賞してしまう等、確実に頭角を現していきました。
また、この時のカクテルドレスを縫製したのがジバンシィ、毛皮部門の受賞者は現シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドでありました。
そんな中、このコンクールの審査員の1人のVOGUEディレクターであった、ミッシェル・デブリュノフが無名のイヴ・サンローランのポートフォリオを目にし、友人のクリスチャン・ディオールと同じA-ラインの線を描くことに気づきます。
その後、彼の紹介を機にYves Saint LaurentとDiorを引き合わせるキッカケともなり、その後着々と2人は交流を交えていきました。
それからはイヴ率いるYves Saint Laurentは数々のコレクションにて最先端なデザインを駆使し、幾度となく世界のファッションシーンの流行を作り上げていきます。
ただ、2008年6月にイヴはガンのため逝去し、パリで行われた告別式には女優カトリーヌ・ドヌーブやサルコジ元フランス大統領夫妻といった各界の著名人、およそ800人が参列し、その悲しみと彼が行ってきた数々の偉業にフランスだけでなく世界中のマスコミでも大きく取り上げられ、その功績の大きさを物語り彼の人生は幕を閉じます。
「Yves Saint Laurent」と「SAINT LAURENT」って何が違うの?
これまで多くの人々に愛され続けてきた「Yves Saint Laurent (イヴ サンローラン)」
最近になって「SAINT LAURENT」という名前が巷に広がり始め、両者はどういう関係なのかと疑問を抱いた方もいるのではないかと思います。
しかし、これはブランド名が「Yves Saint Laurent」から「Saint Laurent Paris (サンローラン パリ) 」に改名したものです。
特に別ラインのサブブランド展開をし始めた等ではなく、ブランドのクリエイティブディレクターに就任し、クリエイティブ面において全権限を与えられているHedi Slimane (エディ・スリマン) が決定し、このニュースは瞬く間にファッション業界に大きな話題を生みました。
また既にブランド名が変更されており、2013年春夏コレクションが店頭に並んだ時を機に全て変更がされました。
世界的にも人気のあるブランド「Yves Saint Laurent」通称「SAINT LAURENT」
これから先もその活動に注目していきましょう。